子育ては一人で背負わなくていい
それでも、私たちは一人で抱えすぎている
松井先生の話を聞いていて、
私はふと、胸の奥が少しだけゆるむのを感じました。
余裕がなくて、笑えない日があってもいい。子どもは、
完璧な親ではなく、
迷いながらもそばにいようとする大人の姿を、ちゃんと受け取っている。
それだけで、救われる気がしました。
子育てが「個人戦」になっている社会
今の日本では、子育てがとても「個人戦」になっています。
特に母親が、知らず知らずのうちに、責任も不安もすべて一人で背負ってしまう構造があります。
頼ってはいけない気がして、
弱音を吐く場所もなくて、
「私がやらなきゃ」と思い続けてしまう。
でも、先生の言葉を聞きながら、
私は一つの疑問を持ちました。
本当に、ここまで一人で抱えなければならないのだろうか?
かつての日本の子育てが持っていたもの
昔の日本では、
父親がもっと子どものそばにいて、
祖父母や地域の大人たちが、自然に子どもに関わっていました。
それは理想論ではなく、
人が人を育てるために、長い時間をかけて形づくられてきた営みだったはずです。
それがいつの間にか、
「母親が頑張るもの」
「家庭の中だけで完結するもの」
へと変わってしまった。
その無理が、
今、社会のあちこちで噴き出しているのかもしれません。
思い出すことが、子育てを支える
子育ては、
子どもを育てる時間であると同時に、
大人が自分自身を思い出す時間でもあります。
自分も、かつて誰かに抱っこされ、
一人では生きられなかった存在だったこと。
それを思い出すだけで、
少しだけ、人に優しくなれる。
でも同時に、こんな思いも浮かびました。
もし、母親だけがこの役割を背負い続けたら、
それは、あまりにも重すぎるのではないか。
では、どうすればいいのか
誰が、どこで、子育てを分け合えるのか。
どうすれば、もう少し楽に、もう少し自然に、子どもと向き合えるのか。
松井先生は、
とても静かに、けれどはっきりとした答えを示していました。
それは、
「父親を、もう一度、子どもの隣へ戻すこと」。
次の第4部では、
なぜ今「父親」なのか。
そして、子育ては本当に「やり直せる」のか。
松井先生の言葉をもとに、
未来へのヒントを書いていきます🍀

