この講演会に足を運んだのは、
自分の子育てに、正直なところすごく不安を感じていたからでした。
毎日やることに追われながら、
「ちゃんと子どもと向き合えているのだろうか」
そんな問いが、心のどこかにずっとありました。
子どもは可愛い。
でも、余裕がなくなる日もある。
正解がわからないまま、時間だけが過ぎていく。
何か劇的な答えを期待していたわけではありません。
ただ一度、自分の子育てを立ち止まって見直したかった。
そんなとき、通っている幼稚園で松井一先生の講演会の案内を見かけました。
「正しい子育て」の話ではなかった
実際に話を聞いてみて、
最初に感じたのは意外にも「安心」でした。
松井先生の話は、
よくある「こうすべき」「こうしなさい」という
子育てのハウツーではありません。
むしろ、
「子育ては思い通りにならないものだ」
「迷うのは当たり前だ」
そんな前提から始まる話でした。
その一つひとつが、
特別に新しい知識というわけではないのに、
なぜか深くうなづいてしまう。
それはきっと、
私たち親が日々感じている違和感や戸惑いを、
言葉にしてくれていたからだと思います。
子育ては「家庭だけ」の問題ではない
話を聞き進めるうちに、
子育ては個人の努力や家庭の問題だけではなく、
社会全体のあり方と深くつながっているのだと感じました。
忙しさの中で、
親も、先生も、余裕を失っていく。
その結果、
「ちゃんとしなきゃ」
「間違えちゃいけない」
そんな空気が、子どもにも大人にも広がっている。
でも本来、子育てはもっと人間的で、
不完全で、
誰かに支えられながら続いてきたものだったはずです。
その原点を、
私たちは少しずつ忘れてしまっているのかもしれません。
この話を、共有したいと思った理由
講演を聞き終えたあと、
「これは私だけが聞いて終わらせていい話じゃない」
そう強く思いました。
子育ては、目の前の子どもを育てるだけでなく、
次の世代の社会をつくっていくことでもあります。
今、親である私たちの選択や姿勢が、
これからの世界につながっていく。
だからこそ、
この話を記録として残し、
同じように迷っているお母さんやお父さんと
共有したいと思いました。
次回は、松井先生が語っていた
「昔の日本の子育て」や「父親の役割」について、
特に印象に残った話をまとめていきます。

