「きっとうまくいく」と思い込んでいた頃の私へ ― 直感を信じていいと気づくまで
この記事は、少し個人的な話です。
誰かを責めるために書くのではありません。何年も経った今だから、やっと言葉にできるようになった、「あのときの私」への手紙のようなものです。
もしあなたが今、
「好きなはずなのに、なぜか心がざわつく」
「大丈夫だと思いたいのに、どこか引っかかる」
そんな気持ちを抱えているなら、少しだけ、私の話に付き合ってください。
「きっとうまくいく」と思っていた
その人とは、出会ってから間もなく、子どもを授かりました。
正直に言うと、あの頃の私の中には焦りがありました。「30歳までには」という、私なりの人生計画もあった。
こんなに短い間に命を授かったのも、きっとご縁なんだと思いました。
いえ、そう思いたかったし、そう思わなければ前に進めない状況でもありました。
どこかで、自分の選んだ道を「正しいもの」にしたかったのだと思います。
だから、目の前に差し出された未来に、迷わず手を伸ばしました。
「きっとうまくいく」。
それは確信ではなく、願いだったのだと、今は思います。
未来の話をしてくれる人だった
彼はいつも、どこかスピリチュアルで、明るい未来の話をする人でした。
仕事のこと、これから一緒に作っていく暮らしのこと。話を聞いていると、私まで前向きな気持ちになれた。その時間が好きでした。
でも、今ならわかります。
私が好きだったのは「彼が語る未来」で、その未来が本当に形になるのかを、私は一度もきちんと確かめようとしなかった。
つまり、その人の言葉が、ちゃんと行動になっているかどうか。
素敵な言葉は、誰にでも語れます。
大事なのは、それを実際に行動に移している人かどうか。本当は、そこまで見るべきでした。でも、付き合った期間は短く、国際恋愛で、しかも遠距離。
それを見極めるだけの時間も距離も、私たちにはありませんでした。
直感が教えてくれていたサイン
妊娠期間のほとんどを、私たちは離れて暮らしていました。
ちょうどコロナ禍。妊娠がわかって間もなくロックダウンが始まり、会いたくても会えない状況になりました。出産も、ほぼ一人で迎えました。
「今は状況的に、仕方がない」
そう自分に言い聞かせていました。でも、本当に会おうと思えば、手立てはいくらでもあったはずです。私からもお願いしました。けれど、彼が動こうとする様子は、最後まで一度もありませんでした。
心のどこかで「あれ?」と引っかかる瞬間は、何度もありました。そして今なら、その一つひとつを、はっきりと思い出せます。
それでも私は、そのたびに「落ち着いたら、きっと変わる」と言い聞かせて、心が鳴らしていた小さな警報を、自分の手で止め続けていたんです。
すれ違いの日々
子どもが生まれてからも、離れて暮らす時間は長く、気持ちのすれ違いも多くありました。
一緒に暮らそうとした時期もありました。でも生活は安定せず、気づけば私は、家計を支えるために一人で走り回っていました。
頑張っているのに、前に進んでいる感じがしない。
誰かと一緒にいるはずなのに、ずっと一人で踏ん張っているような感覚。
「自分が選んだ人なんだから、ちゃんと向き合わなきゃ」
うまくいかないのは、この人を選んだ私の責任。だから、私がなんとかしなきゃ。あの頃の私は、すべてを一人で背負い込むように、ただ踏ん張り続けていました。
それでも、子どもを守るために選んだこと
少しずつ、ある思いが大きくなっていきました。
「このままでは、自分のことも、子どものことも、大切にできない」
そしてあるとき、子どもと一緒に日本で暮らすことを決めました。
簡単な決断ではありませんでした。
それでも今は、心から「あのとき動いてよかった」と思っています。
離れてからも、しばらくは自分を責め続けていました。でも、今になってようやく、自分を責めることはしなくなりました。自分を大切にする道を、そして子どもにとっても良い道を選んだと、今は自信を持って言えます。
今だから言えること ― 違和感は、あなたを守るためのサイン
この経験から学んだいちばん大きなことは、直感は、大抵当たっているということです。
「なんとなく違う」。
うまく理由を説明できないその感覚は、気のせいでも、わがままでもありません。あなたの心が、あなたを守ろうとしているサインです。
そして、言葉よりも、行動を見ること。どんなに素敵な未来を語ってくれても、大事な場面で動いてくれるかどうか。そこに、その人の本当の姿が表れます。
もう一つ。焦って、誰かと一緒になる必要はないということ。頭ではわかっていたつもりでも、私は身をもって知ることになりました。
私はずいぶん遠回りをしました。でも、その遠回りがあったから今の私がいるのも、また事実です。これも、私の人生に必要な経験だったのだと思います。
そして今、この経験を言葉にしようと思ったのは、かつての私のように、誰にも言えず、自分の心の中だけにしまい込んで苦しんでいる人に届けたいからです。あなたは、一人じゃない。
もし今、違和感を抱えているあなたへ
最後に、あの頃の私と同じ場所にいるかもしれない、あなたへ。
少しだけ、自分に聞いてみてください。
- その人といるとき、あなたは安心していますか? それとも、ずっと何かを我慢していますか?
- その人の言葉は、行動になっていますか?
- もし大切な友人が同じ状況にいたら、あなたは何と声をかけますか?
すぐに答えが出なくても、大丈夫です。ただ、心が小さく鳴らしている音を、聞こえないふりだけはしないでほしいんです。
どんな経緯であっても、子どもたちが生まれてきてくれたことは、私の人生でいちばんの幸せです。それだけは、これから先も何ひとつ変わりません。
遠回りしても、人生はちゃんと立て直せる。
だから、自分の直感を、もっと信じていい。それは、自分を大切にすることそのものだから。

