なぜ「Less is More」なのか ― 11歳で失ったものと、そこから得たもの
このブログでは「Less is More(少ないほうが、豊かになれる)」という考え方を、ミニマルな暮らしや子育ての工夫として発信してきました。でも実はこの言葉、ただのブランドコンセプトではなく、私自身の人生でいちばん大きな転換点から生まれたものです。今日はその原点の話をしようと思います。
「Less is More」の意味と、私なりの解釈
「Less is More」は、直訳すると「少ないほうが、より豊か」。建築家ミース・ファン・デル・ローエの言葉として広く知られ、余計なものをそぎ落とすことで本質が際立つ、というミニマリズムの考え方を表しています。
私にとってのLess is Moreは、ただモノを減らすことではありません。限られたお金・時間・モノでも、人生をもっと自由で豊かにすること。そう考えるようになったのには、子どもの頃のある出来事が関係しています。
何不自由なく育った子ども時代
私は地方の小さな町で、開業医の家に生まれ育ちました。家計にも余裕があり、小中学生の頃から百貨店の良い服を買ってもらい、欲しいものはたいてい手に入る環境でした。当時の私にとって、「良いもの・ブランドのものを持つこと」は、ごく自然な日常でした。
11歳、父の死
そんな暮らしが一変したのは、私が11歳のときです。父が病気で亡くなりました。あまりにも急なことでした。
父がいなくなって、わが家の暮らしは大きく変わりました。それでも母は「あなたが大学を卒業するまでは」と、父の残したものを守りながら、懸命に踏ん張ってくれました。
母が守ってくれたもの
当時の私は、家計の本当の厳しさを知りませんでした。それを母から聞かされたのは、大学に入ってすぐのことです。
それでも母は、私が寮のある私立高校に行くことも、学費の高い私立大学に進学することも、弱音ひとつ吐かずに支えてくれました。大学生活はローンを組み、アルバイトを3つ掛け持ちしながらのものでしたが、それでも「好きな学校に行かせてもらえた」という事実は、今振り返っても本当にありがたいことだったと思います。
大学で出会った、新しい価値観
大学には世界中から学生が集まっていました。いろんな国の文化や価値観に触れる中で、それまでブランドものや服にこだわっていた自分の中で、静かに何かが変わっていきました。
「同じお金をかけるなら、モノより、いろんな場所に行って、いろんな人に出会う経験に使いたい」
そう思うようになったのは、この頃です。アルバイトを掛け持ちしながら大学生活を送ったからこそ見えてきた感覚でもありました。身だしなみは整えるけれど、モノにお金をかけることには、もうこだわらなくなっていました。
モノより経験を選ぶようになった理由
これが、私にとっての「Less is More」の原点です。
父を亡くしたことも、暮らしが苦しくなったことも、望んで選んだことではありません。でもその経験があったからこそ、「限られたお金・時間・モノの中でも、人生はちゃんと自由に、豊かにできる」ということを、頭ではなく実感として知ることができました。
今、シングルマザーとして思うこと
あれから時間が経ち、今は家族の助けも借りながら、子どもたちを育てています。決して平坦な道のりではありませんでしたが(この話はまた別の記事で)、それでも「モノを持つこと」より「今この瞬間の経験」を大事にする、というあの頃見つけた感覚は、今の暮らしの中でも変わらず私を支えてくれています。
限られた中でも、工夫次第で暮らしは自由になる。子育ても、お金の使い方も、これから先の生き方も。このブログでは、そんな私なりの「Less is More」を、これからも実際の暮らしの中から発信していきます。
Less is More で発信していること
- Less Money, More Travel:マイルや工夫で、子連れでも旅をする
- Less Stuff, More Freedom:本当に必要なものだけを、大事に使う
- More Life:子育てと暮らしのこと、自分らしい生き方のこと
- More Creativity:アートや音楽のある暮らし

